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平成26年度 談話履歴

新しい歴史の幕開け
平成26年4月より公立西知多看護専門学校として新しい歴史を刻み始めています。昭和62年に開設されたときから、今に至るまで校名が変わろうとも諸先輩方が築いてきてくださった歴史を大切にしていきたいと思っています。
私は、4月より校長になりました。実は、昨年、初めて看護学校に来て、やっと1年経ったばかりです。それまでは、ずっと臨床現場で働き、そのうちの10年ほどは病院内の看護教育全般が主な仕事でした。多くの新人看護師を含む看護師に出会い、様々なことを教えてもらいました。その経験が今の仕事に大変役立っていると思っています。臨床現場と教育現場をつなぐことができる仕事をしていきたいと思っています。
この校長談話は、毎月更新を目標にしていきます。その時々に学校で起こった事件(!?)や行事などについてお知らせしつつ、当校の魅力が伝わるように心がけていきたいと思っています。
新しい歴史の幕開けを迎えた今、このような立場でお仕事をさせていただくことに感謝しつつ、気持ちを引き締めて学生、教職員とともに頑張りたいと思います。

平成26年4月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

宣誓という儀式、同じ目標に向かって…

公立西知多看護専門学校として初めての宣誓式を5月7日に終えました。2回生27名の方が宣誓されました。
誓いのことばは、次のようなものでした。このことばは毎年宣誓者が考えています。ですから、少しずつその学年のカラーがでるようです。

 「私たち27名は、本日宣誓式を迎え、広く社会に貢献する看護師を目  指して次のことを誓います。
 一、確実な知識と技術を養い、思いやりのある看護師になることを誓い   ます。
 一、人と人との関わりを重んじ、協調性のある看護師になることを誓い   ます。
 一、生命の尊さを知り、責任感と判断力を持ち、誠実に看護を探求し続   けることを誓います。

27名が声を揃えて、堂々と宣誓する姿は感動的でした。
誓いのことばにあるひとつひとつの言葉が非常に奥深いものであり、実習や学内での学びを通してその奥深さが実感できるように、誠実に看護を探求していってほしいと式辞でお話をさせていただきました。
宣誓式の後には自治会主催の祝賀会がありました。宣誓者ひとりひとりの思いが語られ、3年生はあたたかく、1年生は憧れのまなざしで見つめ、話を聞いていました。
2年生はこの宣誓式の後、5月13日より老人保健施設での老年看護学実習が始まっています。人生の先輩である高齢者との関わりを通して、様々な学びを深めてくれると思います。
3年生は八事病院で精神看護学実習をさせていただいています。精神に障害をもつ方と接することで、自分自身の看護者・看護学生としての在り様を見つめなおす機会にもなると思います。
1年生は学内で様々な講義を受け、空き時間には積極的に実習室でシーツ交換の練習をしています。今の努力の成果が技術試験でみられると期待しています。
学年は違えども、目標は皆同じ、つまり同志です。支え合い、助け合いながら、新しい学校の歴史を創っていっていただきたいと思います。


平成26年5月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

初めての新入生春合宿、そして3年生各論実習再開!

5月30日、31日に新入生対象春合宿を行いました。2年生、3年生の中には私たち、僕たちもやりたかった!行きたい!という人もいました。うらやましいと思われた1年生30名が2日間過ごしての感想をアンケートに書いてくれました。その中のいくつかを紹介いたします。
「とてもハードな2日間でしたが、確実にクラスの仲が深まったと思います」
「2日間、楽しくみんなで過ごせました。でも少し日程が詰まりすぎていてハードでした」
「代休が欲しい!」…という意見も何名かからありました。
担当担当教員3名も初めての取り組みでしたので、意気込みもあり、日程がハードになってしまったなぁと反省しております。(春合宿の様子はイベント案内のページをご覧ください)
しかし、合宿が終わった翌週の月曜日、ある非常勤の先生から「何だかクラスが明るくなった感じ。質問も出てきたし…」というお褒めの言葉をいただきました。
今回の合宿の目的は「3年間の学びを始める時期に、学生便覧を中心に学ぶ姿勢、具体的な学習方法を確認するとともに学ぶ仲間としてクラスメートとの親交を深め、様々な課題に協力して取り組んでいくことのできるチーム力を高める」というものでした。ですから、前述した先生からの言葉は担当した教員にとって大変うれしいものだったのです。今回の反省を踏まえ、来年度は更にバージョンアップして臨みたいと思っています。
そして、2年生は基礎看護学実習2に向けて学内での学びを深めているところです。3年生は6月3日から各論実習3クール目に突入しました。新しい実習先で緊張しながらも学びを続ける姿勢は微笑ましく、誇らしく思います。


平成26年6月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


笑いヨガ

6月の最初の土日に私と教務主任の2人で笑いヨガリーダー養成講座に参加してきました。笑いヨガとは、だれにでもできる健康体操です。笑いの体操とヨガの呼吸法を合わせているので『笑いヨガ』と言います。インド人の医師であるマダン・カタリアが5人から始めたものが今では世界70か国以上に拡がっています。
私が大学生のころ、臨床場面での笑いの効果について研究を行いました。それは笑いが免疫力をあげるという書籍に出会ったことがきっかけでした。私自身は臨床現場で患者さんの笑顔を見ることが大好きで、そのためにいろいろなことを考えていました。ですから、そのころはユーモアが大切とも考えていました。
しかし、笑いヨガは体操ですからユーモアは必要ありません。体操として笑っても、おかしさを感じて笑っても、身体は区別ができないので同じ効果があるという科学的根拠があるそうです。
そして、先日3年生の体育の時間に笑いヨガを実践させていただきました。学生たちは照れながらも、素晴らしい笑顔をみせてくれました。実習の合間のほんのひと時でしたが、リラックスして楽しい時間が過ごせたかなと思っています。その後も校内で会う学生たちは私の顔を見るたびに笑いますが、その笑顔もまた私を元気にしてくれます。
看護学校での勉強はとても大変です。それでも、笑顔あふれる学校になるといいなぁと思っています。

平成26年7月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

カリキュラム会議

今年度より公立西知多看護専門学校として生まれ変わった我が校は現在、教育理念から教育目標、そしてそれに基づいた教育内容・教育方法を見直そうということで教員全員で話し合いをすすめています。
話し合いの過程において、それぞれの教員の学生に対する思い、看護に対する思いがあふれ、立ち止まったり、進んだりの繰り返しの中、お互いの理解が深まっているように感じます。常日頃は日々の授業準備や実習指導などに追われ、なかなかじっくりと腰を落ち着けて話し合うことは難しく、今回のような時間をとることは非常に大切なことだと実感しています。
今までの伝統を大切にしつつ、新しい学校として、特色ある部分を出していきたいと考えています。卒業生と関わる多くの方に「公立西知多看護専門学校の卒業生は…」と、いい意味で語っていただけるような教育を実践したいと思っています。
私自身は自分の担当する科目において、TBL(Team-Based Learning)という学習方法を現在取り入れています。チーム基盤型学習というものです。最終的にチーム課題としてディベートを行ったのですが、その学びは非常に大きかったと感じました。各チームは本当によく調べ、自分たちの考えをまとめ、人に伝える方法を考えることができました。本来なら行わないであろう聴衆からの質問もでるような、とても楽しく刺激的な時間を過ごすことができました。私は学生の持っている力のすごさを感じ、本当に嬉しく思いました。学生の持っている力を信じ、それを最大限に引き出すようにこれからも関わっていこうと思える体験でした。
今年度は、それぞれの教員が少しずつ新しい取り組みにチャレンジしています。今話し合っているカリキュラムの見直しが終わり、実際に取り組んでいる新しい取り組みの反省点を活かし、来年度は更にオリジナリティに富んだ、当校ならではの看護教育が実践できることをめざしたいと思います。

平成26年8月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

夏休み
看護学校といえども、夏休みはあるよね…と思いきや、期間は小中高校よりも短い上に、宿題や技術の練習、国家試験の勉強、実習の事前学習などなど、課題は本当にたくさんあります。そのため、学生は忙しい毎日を過ごしていました。夏休み後半のこと、校長室のドアのホワイトボードの私へのメッセージ欄に「課題が終わりませ~ん」という悲痛な訴えが書かれていました。昨年度も同じような訴え(!?)があったのですが、その後の実習や学内演習のことを考えると大幅な削減は難しいという実情のようです。
大変な夏休みも過ぎてしまえば、いい思い出になると確信しています。そして、その大変さを乗り越えることができた経験は宝物になると思います。楽しかった記憶よりも大変だった記憶は残り、その大変さを経験したこと、乗り越えたことを誇りに思って語る…ということは本当によくあると思います。私自身、臨床で共に働いた仲間と会うと、必ずと言っていいほど、「あの時はスタッフが少なくて大変だったけど、みんなで頑張ったよね。」と語ることが多いからです。ただ単に辛い、大変というだけでなく、その後に生かされる辛さ、大変さであるように、常に見直し、必要な修正を繰り返し、学生への関わり方も考えていきたいと思っています。
さて、話題はがらっと変わりますが、今年度に入って地元の印刷会社ユーズさんのご厚意により(社長さんが私の出身高校の先輩であったこともあり)当校のイメージキャラクターをデザインしていただきました。複数のデザインから学生が選び、学生が命名しました。“フローレンスウメコ”といいます。知多市の梅に集うウグイスをモチーフに看護学生をイメージしたデザインになっています。フローレンスはフローレンス・ナイチンゲールのフローレンスです。とてもかわいいデザインで、この“フローレンスウメコ”と共に学校を盛り上げていきたいと考えています。

フローレンス ウメコです。 よろしくね。



平成26年9月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


それぞれの秋

10月になりました。8月にお伝えしたカリキュラム会議は大詰めを迎え、最近は本当にお尻に火がついた状況だと自覚しております。しかし、話し合えば話し合うほど、より良い考えが浮かび、今現在で考えうる、成しうる最善のカリキュラムを考えられていると自負もしています。来年度1年生からこのカリキュラムを動かすことになります。そのための準備として12月までには、「課程変更申請」を行うことになります。このカリキュラムで学習した学生がどのような成長を見せてくれるのか、とても楽しみです。今の在校生にも新しいカリキュラムの良いところが波及することも考えていきたいと思っています。
さて、学生たちは…といいますと、1年生は初めての看護過程展開の演習を始めています。学生時代のみならず、看護師になった後もずっと基盤になる考え方がここで養われます。2年生は、先日知多警察署からの要請でシートベルト着用を勧める街頭活動を行いました。(様子はイベント案内よりご覧ください)この地域にある学校として、このような地域貢献は続けていきたいと思っています。3年生は、いよいよ各論実習6クール目に入りました。各論実習も終わりが見えてきました。国家試験の勉強も並行して行いながら、日々臨地での学びを深めている様子は、本当に頼もしく思います。
看護学生は3年間の学びのプロセスで「人間」や「人間関係」についての観察の仕方やその解釈がどのように変化していくのでしょうか?私は昨年度から、学校に来て学生の成長がどのようなきっかけで、どのように促されるのかについてとても興味を持つようになりました。今年度は、カリキュラム変更に追われましたが、来年度は何か研究に取り組んでみようかなと考えています。「学び続ける姿勢」を学生に期待するからには、自らモデルになれるように自己研鑽したいと思います。





平成26年10月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



看護研究

先月から看護学概論の中で「論文抄読会」を始めています。昨年度まではケーススタディと言われる雑誌投稿された学生の事例研究論文を1篇選択し、それを全員で読んでいました。しかし、今年度より私もメンバーに加わり、日本看護学会論文集の中から介入研究を4篇選択し、4グループに分かれて読み込むことにしました。読み込んだ結果を皆で話し合い、最終的にはグループごとに発表して学びを共有するという流れです。
実は、私は病院勤務時代、10年ほど看護研究の指導をしておりました。夜勤明けや休みのナースに研究指導をすることが多く、話しているうちに寝ぼけ眼で睡魔に襲われている彼女・彼らに対して、ひどい仕打ちをしているような気持ちになったものです。指導している私が「こんな思いまでして看護研究を現場のスタッフがやらなくてはいけないのか?」「こんなことをして意味があるのだろうか?」と何度も思いました。しかし、研究を終え、院外で発表したり、認定看護師の教育課程に進んだナースからは「あの時の学びが大変役に立った」「達成感があった」という言葉も聞かれました。そんな言葉を聞くたびに「私のやっていることも無意味ではないかも…」と思っていました。しかし、臨床の場で研究をするということの過酷さも実感し、専門職として研究を続ける必要性を自覚しつつもどのような取り組み方が適しているのか、答えが出せないままでした。
そんな経験をもつ私が看護専門学校で看護研究について担当することになったとき、「自らが研究する」という段階まで至らなくとも、「研究結果を活用する」ことができる段階までは育てたいと思うようになりました。
2年生の学生と学びを深めている段階ですが、皆、とてもよい気づきをもち、自由に語り、学びを深めている姿をみると本当に嬉しくなります。「あ、そういうことだったんだぁ、気づかなかったぁ」と目をキラキラさせている姿は、元気を与えてくれます。彼女、彼らが看護師になったときに先輩方の行った研究を批判的に読み、活用することができるようになり、いつか自分も研究してみたい!と思ってくれるようになることを夢見ています。どうせやるなら、楽しく!前向きに!と何事にもそんなスピリットで臨める卒業生を送り出したいと思っています。


平成26年11月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

議会、予算査定、監査

私は今年度より校長になり、議会や予算査定、監査などに参加するようになりました。組合管理者である東海市長さん、副管理者である知多市長さん、両市の副市長さんには大変お世話になり、いろいろなことを教えていただきながら、日々仕事をすすめています。これは、病院勤務時代にはなかったことで様々な発見があります。今回は、そのことについてお話ししたいと思います。
まずは、“形式美”についてです。発言をする際には挙手し、「議長、看護専門学校長」と名乗り、「看護専門学校長」と指名を受けてから発言します。今まで参加した会議では、このようなことは経験したことがなく、規律性を感じ、緊張感をもつ瞬間です。内容が充実していれば、形式にこだわらなくてもよいとずっと思ってきましたが、会議の流れを作り、他者からみてその流れが理解できるということの意義も実感しています。
次に、予算の重要性です。病院勤務時代には、恥ずかしいことに、今ほど予算について重要視していなかった自分がいます。事務部門が予算を策定し、それに基づいて事業を行うものの、年度途中であろうが必要なものは購入することが可能でありましたし、必要だと思う研修には積極的にスタッフに参加を促していました。随分、事務の方にご迷惑をおかけしていたと今更ながらに反省しております。現在は、その時とは異なり、何事も計画的に必要なものは予算上にあげていく…そんな当たり前のことを粛々と行うようにと心がけています。とはいえ、学校運営上、予想だにしなかったことが起こることもあります。そんな時は、学校運営委員会の場などを利用して副管理者をはじめとする委員さんに相談させていただき、その対応策を練ることもあります。お陰様で、地域に貢献できる看護師を育てることを目的とする我が校への理解は篤く、大変感謝しております。
最後に議員さんの存在です。学校運営への監査的な役割から、その在り方についてのアドバイザー的な役割まで非常に多くのサポートをいただいております。「頑張ってね」と声をかけていただくことで、元気づけられることもしばしばです。
看護師でありながら、現在は学校運営上の管理者として、様々な役割を担う中で「学生にとってより良い学習環境を目指す」ことを第一に、そのためにも「教職員にとってより良い職場環境を目指す」ことも念頭に日々努力していきたいと思います。



平成26年12月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

新しい年の始まり

皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年、年女であったため、また新しい12年をどのように刻もうかと考えているところであります。縁あって、看護学校で勤務することになり、再び今までとは異なる方向から『看護』を見つめなおしている状況で学生と共に学び、育っていけるように…と思っています。
さて、「今年はどんな年にしたいのか」、ということについて考えてみますと、やはり昨年までと同様、学生や教職員にとって居心地の良い、刺激のある学校を目指していきたいという思いに行きつきます。
今年は特にアクティブラーニングという考えを根幹に、学生が自ら考え、学ぶことができるような教授方法を追求していきたいと考えています。看護専門学校は、看護師養成所指定規則に基づいて運営されており、3年間で3000時間以上の授業あるいは実習時間が必要とされています。何を学んでほしいのか、何を習得してほしいのか、どんな気づきをしてほしいのか…そんなことを考えながら、教える内容を吟味して時には思い切りよく切り捨てることも必要だと思っています。なぜならば、学習の仕方、学習したいという動機づけができれば、学生たちは自ら学習する力を持っていると思うからです。そして、共に学ぶ仲間としてチームワークを考えて行動することができること、このことも医療人として働く上での基盤として重要であると考えます。このような観点からも、TBL(Team Based Learning)、グループワークなどを取り入れ、自分の意見を相手に伝える、人の話を聞く、皆で新しい考えを創造していく…そんな経験を学生時代にたくさんしてもらいたいと思います。
学生が笑い、涙し、時には激論を闘わせ、キラキラと輝く瞳をもって学生生活を送ることができるように、新年にあたり、夢を大きく膨らませ、教職員一同協力し、頑張っていこうと思います。



平成27年1月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


看護師としての思い出~Part1~

私が看護師として働きだしたのは、今から25年以上前になります。T市民病院の循環器内科・血液内科病棟で、看護師としての一歩を踏み出しました。短期大学出身の私は実習経験も少なく、ほとんどのことができない状態でした。その頃、病棟には難病で人工呼吸器を装着した若い患者さんのAさんが入院されていました。ある日、Aさんの部屋からナースコールが鳴り、訪室すると「痰をとってほしい」ということでした。私が「わかりました」と言って準備を始めるとAさんは露骨に嫌そうな表情をされました。私は心の中で「私だってやりたくない!」と思いながら痰を吸引しました。案の定、うまくとることができず退室した後、しばらくするとまたナースコールがなりました。先輩が気をきかせて「私が行くわ」といってさっと動かれました。
私は、痰をとることがきらいでした。苦しい表情をみるのが嫌だったからです。苦しい上に下手な私がやったら更に苦しい…ついついナースコールへの反応が遅くなってしまう自分がいました。そんなことを先輩に話した時に言われたことが今でもとても記憶に残っています。「苦しい処置だとしても、それをしなかったらAさんは痰が詰まってしまって、もっと苦しくなるか、命に関わることもあるんだよ。どうやったら少しでも楽に、しっかりと痰をとることができるのか、それを考えることの方が重要だよ。」看護師としての私が初めて自分の愚かさを実感した出来事でした。その後も、しばらくAさんには嫌な顔をされていましたが、徐々に普通に受け入れてくださるようになりました。
看護師としての思い出シリーズ(何回続くか???)の初回に、大変恥ずかしいお話をしましたが、今でもこの経験は自分自身を戒めるものになっています。目先のことから逃げるのではなく、物事の本質を考えて行動すること、患者さんにとって嫌な事でもやらなくてはいけないことはきちんと説明して実施すること、嫌なことはなるべく嫌になる状態が少ないように知識を深め、技術を磨くこと…などなどです。『本当の優しさとは何か?』ということを考える機会にもなりました。患者さんを学生に置き換えると今もこの時の学びが活きていると思います。
看護は自分自身も成長させてくれる職業だと思います。私自身の経験とそこから得た学びをこれからも少しずつ紹介していきたいと思います。

平成27年2月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

いよいよ年度末

病院勤務の頃から同じですが、年度末の忙しい時期になってきました。入学試験や国家試験も終わり、もうすぐ卒業式です。並行して入学式の準備や新年度の準備に追われる毎日です。しかし、大変だなぁと思う一方で、新しい学生を迎える喜び、特に来年度から新しいカリキュラムの運用を開始するので、そのワクワク感もあります。
そして、卒業生を送り出す寂しさと喜び、これは学校ならではのことだと思っています。本当に彼らは頑張りました。3年間、たくさんの講義、実習、それに伴う課題、自治会活動、様々な行事、いろいろなことを乗り越え、卒業するわけです。看護師になりたいと思って、入学したものの辛くてくじけそうになったこともあったでしょう。しかし、皆で助け合い、時には喧嘩をしながらも卒業を迎えるのです。当たり前のことかもしれませんが、私は誉めてあげたいです。それぞれの学び、それぞれの成長、それぞれの看護への思い…一人ずつ大切に抱えながら新しい道を歩み、看護学校で学んだ経験を誇りにしてほしいと思います。そして母校を愛し、迷ったり、苦しんだり、嬉しかったり…そんなときには、是非学校に来てお話を聞かせてください。
私たち教職員は、これからも、卒業生に愛され、誇りに思ってもらえるような学校であるように努力を重ねていきたいと思います。
さて新入生の皆さん、今は入学前の勉強に励まれていると思います。これからの3年間は、とにかくあっという間です。毎日毎日の積み重ねが3年後の自分をつくります。今は、毎日勉強する習慣と規則正しい生活、そして体力をつけること、この3つのことを是非とも実践していただきたいと思います。この3つのことは3年間を有意義に過ごすために大切なことです。新しく2年生、3年生になる先輩と教職員一同皆さんに逢えることを楽しみにお待ちしています。

平成27年3月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子