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校長談話Principal Statement

「看護師としての思い出~Part9~」

今回は、救急外来での思い出です。私は、救急外来での仕事が苦手でした。救急外来での仕事を始めたころの私は、内科系の病棟看護しか経験がなく、看護師として、外傷の方や、子どもさん、妊産婦さんなどと関わったことがなかったのです。ですから、どんな方がどんな状態で来られるか分からない救急外来で働くことは不安でしかありませんでした。整形外科で必要とされる処置やその介助、婦人科や口腔外科の特殊な処置・診察台での介助などなど、日々、初めてのことを経験する毎日でした。
「わからないことは聞こう」、「初めてのことは助けてもらおう」と心に決め、患者さんの安全を守ることを第一優先として、ともに働く先輩看護師に幾度となく、助けてもらいました。
そんな私が、ICLSコース*に出会った頃には、看護管理者として救急外来で働くようになっていました。その時には、全体を見て、指示を出すという役割だと強く認識し、働くようになっていました。ICLSコースには、事務局として関わっていたため、インストラクターをしたことはないのですが、多くの救急救命士さんと顔の見える関係を築いたことで救急外来での連携も良くなったと思っています。
ICLSコースに関わっていて良かったと思った出来事を3つ紹介します。ひとつは、医師と二人で状態が不安定な患者さんをCTに案内した際のことです。CTをとっている最中に心肺停止状態になったのです。すぐに除細動器を使用し、何とか一命をとりとめました。もう一つは、救急外来の処置室でのことです。さっきまで話していた患者さんが突然静かになったため、モニターを見ると心室細動**を起こしていました。すぐさま、胸骨圧迫を開始し、仲間を呼び、除細動をかけることができました。この時も患者さんは、一命をとりとめ、目を覚ますと「あ~助かったぁ~」と言われました。そして最後に、救急隊からの連絡を受けるときです。「あ~宮原さん、良かったぁ」と言ってもらえ、お互いの情報共有がスムーズにできるようになったのです。
私は、じっくり考えるタイプで、瞬時の判断が要求される救急外来での仕事が向いているとは正直思えません。ですが、その時、その時で、自分の力と役割を見極め、必要な努力をしつつ、いざとなったら応援を依頼することが出来る、そして仲間と連携する…という力はここでも育まれたと思います。これは、救急場面以外でも当てはまります。どんな場面でも、そこで目指すべき目標に向かって、自分の能力と役割を見極め、必要な努力を惜しまず、仲間と協働するということを続けていきたいと思います。

*突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生を習得するための医療従事者向けの蘇生トレーニングコース
**致死性不整脈のひとつで電気的除細動の適応である

              令和2年11月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子